SLEP TEST

交換留学に行くには、その前に SLEP TEST という英語の試験で合格点をクリアしなければならない。

フランスだけど英語なのである。


そのテストはTOEIC のような形式で、リスニングとリーディングが各45分あり、質問もすべて英語。
このような形式に慣れていないと、リスニングなんていつ問題が始まったのかもわからない。
(必死で解こうとしたら例題だったという具合に)

近所でやってくれた模擬試験に参加したり、英語のCDを聞いたり、そのCDのスクリプトブックを見たり。


学校の英語の先生が、これをやるといいと言って渡してくれた問題集もあったみたいだけど、実際は定期考査の勉強でいっぱいいっぱいで手はつけられなかったようだ。

何といっても、学校の成績で欠点を取ったら「留学」扱いにならずに「休学」になってしまう。
帰国してきたときに現地での単位を認めてもらって、日本で進級できなくなるのだ。
だから、日本の高校で成績と出席日数を確保しておくのは、絶対に必要なこと。


その定期考査と SLEP TEST の時期が重なったりしていて、CDを聞く以外の準備はあまりできていなかった。
でも、気がつけばスコアが上がって、クリアしてしまっていた。


「何が効果的だったの?」
と聞いても、
「さぁ・・・」

「高校でやってる英語の単語集覚えたから?」
「う〜ん、でもそれで覚えたのは1個か2個くらいしか出てこなかった」

本人にもよくわからないらしい。



でも、私にも経験があるけど、一つの言語のCDを毎日集中して聞いていると、1〜2週間(あるいは1ヵ月)位たったころに、ふっと感覚が変わる。
音が妙にクリアに聞こえだし、そうすると単語の一つ一つも耳に飛び込んで来て、自動的に意味もそれまでよりつかみ取れるようになるのだ。

単語の一つや二つ覚えたからって、そう簡単にスコアは上がらない。
学校でやる単語や漢字のテストとはわけが違う。
そんな仕組みの作りにはなっていない。


だとすると・・・
ま、私の想像だけど、ぐわ〜っと「量」を聞くことで、英語に対する勘のようなものが働くようになったのではないだろうか?

いや、あくまで想像だけど。


私が今までに何度も経験した、あの感覚。
全然聞き取れない、わからないと地を這っていたところから、ふわっと浮き上がるようなあの感覚。
あれが、彼女の中にも起きていたのでは?


聞いたって
「さぁ、わからん」
と答えるだけなので、本当のところはわからないんだけどね。