漢字が浮かぶ

中国語は、他の言語と違って、聞いていると漢字が浮かんでくることが多い。
韓国語もときどきは浮かぶけれど、中国語の比ではない。

あるとき、ヒッポのメンバーGさんが上海にホームステイに行って、帰ってくるなりこう言った。

「みんな、漢字でしゃべってるねん。」


そうそう、漢字でしゃべってる!

もちろん、漢字を知らない欧米人が聞いても「漢字でしゃべってる」とは思わないだろうけど、私には妙に納得がいくセリフだった。


カンフーや太極拳の型や動作の名称は、当たり前だが中国語である。
日本語読みをする場合もあるが、私のカンフーの先生は中国人&中国語の話せる日本人なので、主に中国語読みの方でずっと習ってきた。

あんまり考えずに動作と共に頭に入ってきていたのだが、中国語というのは基本的に1つの漢字に1つの読みなので、気がつけば、漢字とその発音がセットになって記憶されているようだ。


そんなわけで、中国武術用語、中華料理の名前、中国の地名、この3つでかなりの漢字の読み方(発音)が、無意識のうちに自分の中に入っていて、パッと聞いた中国語から漢字が浮かぶ率が上ってきているように思う。


まぁ、「だから何だ」と言わればそれまでだが、中国語で話されたときに、相手の言いたいことを掴み取るヒントは多くなっている気がする。


ところで、同じ漢字を使う言語だからといって、やみくもに日本語の単語をそのまま漢字で書いても、意味が伝わらないことは言っておこう。
見た目は同じでも、意味が全然違うことが多々あるのだ。

日本語の「手紙」が、中国ではトイレットペーパーという意味になるというのは有名な話だ。


たくさんの中国語を聞く中で自然に漢字が浮かんでくるのと、ただ単に日本語の漢字を当てはめるのとは、違う。
そこを勘違いしてしまうと、中国語は「サッパリわからないことば」になっていまうだろう。