家の前の国道を歩いていたら、反対車線の向こうの方を、ものすごく日に焼けたおじさんがリヤカーのついた自転車を一生懸命こいでいた。
荷物がすごかったのと風采が独特だったので、ホームレスの人かと思ったが、
よく見るとリヤカーには、サーフボードやテントが括り付けられていた。
近づいてきたその人は、思った以上に若く、すがすがしい表情だった。
どこから来て、どこへ行くのだろう。
どんな波を求めているのだろう。
何の変哲もない見慣れた道が、
海へと続いている。
世界なんて、
目の前の1歩を踏み出せば、
出て行けるものなのだ。